目次
- フォーミング加工まで対応する昭和製線のジャンパー線
- ジャンパー線とは
- ジャンパー線の標準スペック
- ジャンパー線を選ぶ
- 成功実績
- 販売の流れ
- よくあるご質問
- 昭和製線のジャンパー線の特徴
- 品質管理体制(ISO9001に沿った品質管理体制)
- 環境調査対応
フォーミング加工まで対応する昭和製線のジャンパー線
昭和製線はジャンパー線を製造しているメーカーです。
荒引銅線(φ2.6)を原材料として伸線加工を行い、オリジナル設計したメッキラインでジャンパー線を製造しています。
ボビン巻商品を標準でラインナップしておりますが、現状、内製化されているようなフォーミング加工まで一貫して対応しております。
昭和製線のジャンパー線を使用するメリット
当社のジャンパー線を購入するメリットは大きく分けて3つあります。
Merit01
コストの削減/リードタイム短縮
メーカーとして適正な価格で販売しているため、御社の購買価格低減に寄与することが期待できます。フォーミング加工品においては現状ユーザー様で内製化により発生している製造コストを外注化することでコスト削減効果が期待できます。
昭和製線では原材料から一貫してジャンパー線を製造しているため、最小限の加工手間でフォーミング加工品まで生産することができます。
また同じ工場内で生産するため、リードタイム短縮効果も期待できます(一部外注)。
Merit02
品質の向上/安心のトレーサビリティ
次に考えられるメリットは、最終的な製品の品質向上に寄与することができます。
昭和製線のジャンパー線は原材料の調達はもちろん、製造工程においても厳しい検査基準を設定し管理をしています。ISO9001(JSAQ2472)、ISO14001(認証取得中)を取得し第三者機関からチェック頂くことで継続的に品質、環境側面の維持向上を図っております。
またジャンパー線に関して豊富な知識を有した専門作業員がお客様の悩み、ご要望をお聞きし、最適な提案をいたします。
Merit03
日本国内で製造したジャンパー線を海外に直接納品
工場の海外移管によりジャンパー線などを海外に輸出されているユーザー様も多くいらっしゃると思います。海外での取引実績のある昭和製線では、日本国内で製造したジャンパー線を独自の流通経路で海外に直接納品することができます。
経由地を省き直接納品することで、よりスピーディーな対応が可能となり、輸送コストを削減することも可能になります。
ジャンパー線とは
ジャンパー線とはプリント基板に用いられる、離れた電気回路間をつなぐ電線のことです。 回路上にジャンパー線を取り付けることで、短絡し電路にショートカット(ジャンプ)させることできます。ジャンパー線を回路上に入れることで、その間の制御や回路の動作の停止や、また、通常の配線では動作しない回路を動作させることが可能となります。また、プリント基板に仕様変更や設計変更などが必要な場合、ジャンパー線を取り付け、または外すことで、不具合箇所の補強や不要な機能の一部停止、不必要な出力部の回路構成などの変更を行うことが可能です。
昭和製線の製造するジャンパー線(NSL 線:New Showa Lead)は鉛フリーの錫メッキ軟銅線です。錫メッキは錫:99.2%、銅:0.8% となっており、独自のメッキ方法である “ 口金式溶融メッキ” を行っています。 一般的には溶融メッキはメッキ厚の制御が電気メッキに比べて難しいとされていますが、口金式溶融メッキを行うことでメッキ厚の制御が可能になり、線径の太い芯線であっても薄付けを行うことができます。また、RoHS 指令やREACH などの各種環境調査に対応しています。
ジャンパー線の標準スペック
昭和製線の基盤用ジャンパー線は下記の標準スペックに基づいて製作を行います。下記記載以外のサイズや特注仕様のジャンパー線をご要望の場合にはご指定の仕様書を送付いただくか、直接ご相談をお願いします。
ジャンパー線を選ぶ
以下よりご要望のジャンパー線をお選びいただけます。標準仕様のジャンパー線はボビン巻きタイプとテーピングタイプです。
特注仕様のジャンパー線は曲げ加工を行ったジャンパー線となっています。曲げ加工を行うジャンパー線は、お客様ご指定の曲げピッチに合わせて加工可能です。
ジャンパー線(標準仕様)
ボビン巻き
ボビンにジャンパー線を巻いたもので、線径とボビンサイズから選択可能です。標準品は銅線に錫メッキを施してあります。ボビンは重量に合わせて3 種類(P3、P5、PT20)あり、ご使用される環境に合わせて選択可能です。
テーピング
伸線、錫メッキ加工後のジャンパー線を、26mm と52mm のテーピング幅でストレート形状でカットしたものです。基板実装ラインで使用しやすいようにジャンパー線をテーピングしています。テーピングタイプのジャンパー線はリール送りでのジャンパー線挿入用として使用されます。
ジャンパー線(特注仕様)
L3型
「コ」の字型に曲げ加工を行ったジャンパー線で、高さが左右非対称になったものです。片側の高さは3mm で固定されていますが、もう片側の足の高さは0mm ~ 12mm から選択可能です。
L5型
「コ」の字型に曲げ加工を行ったジャンパー線で、高さが左右非対称になったものです。片側の高さは5mm で固定されていますが、もう片側の足の高さは0mm ~ 12mm から選択可能です。
成功実績
実績01
線径ダウンによるコスト削減効果
ジャンパー線VAのポイント
現在使用しているジャンパー線の線径を細くすることで、コストダウン効果が期待できます。
線材をφ1.0からφ0.9に10%ダウンするだけで長さは1.23倍、φ1.0からφ0.6に40%サイズダウンすること長さは2.8倍になり、大きなVA効果が期待できます。
許容電流量を計算してジャンパー線の線径を決めたが、基板の設計変更をしたことで、流れる電流量が少なくなり線径を細くしても問題がない。
線径を細くすることで、長さが長くなり、使用するジャンパー線の数量が削減された。
実績02
ボビンのセット位置改善によるジャンパー線自動挿入機のチョコ停防止
チョコ停防止のポイント
ジャンパー線をボビンから繰り出す時には、ボビンを支点(※)の真下にセットして下さい。そうすることで、ほとんどの線繰り出し時の問題は解決します。昭和製線のジャンパー線は一定のテンションで線を巻いているので、何も治具をつけずに繰り出すことが可能です。PT20(20Kg巻)についてはテーパー形状のボビンになっているため、セットして線を引き出すだけでスムーズに線が繰り出されます。
ただスペースの関係で真下にセットできない場合や、不連続に線を引き出す場合は、フライヤーやナイロンヒゲブレーキなどの治具を有効に活用するとチョコ停防止に役立ちます。
※支点とは繰り出した線が最初に触れるコマなどをさします。
ボビンが支点の真下にセットされていないと、ボビン上部のツバにジャンパー線がひっかかって、スムーズに線が繰り出されないことがあります。
支点の真下にボビンをセットすることで、ボビンからジャンパー線がきれいに繰り出されます。
実績03
ボビンのサイズアップによる段取り替え効率の向上
生産性向上のポイント
リード線などの線材を巻くボビンには、P3(4kg)、P5(7kg)、PT20(20kg)などのサイズのボビンがあります。ボビンは線材の使用量や使用用途に合わせて適切な大きさのボビンを選定することが生産性を向上させるためのポイントとなります。生産量が多く、段取り替えの工程がコストアップになるのであれば、PT20(20kg)から線材を繰り出す方が効率が良いです。対して小ロット生産であればP3やP5などの比較的小さなボビンを選ぶことが効率アップのポイントです。
リード線などの線材を大量に取り扱う際、搬送の利便性を考慮してP3(4kg)の小さなサイズボビンを多数使用していました。しかし、P3のボビンでは1つのボビンあたりの巻き数に限界があるため、頻繁にボビンの取り換えを行う必要がありました。そのため、段取りの回数が多くなり、生産リードタイムが長くなりがちです。また、多数のボビンを使用するので保管スペースも必要以上に広くなり、保管コストアップの要因にもなります。
リード線などの線材を量産で使用する場合、P3(4kg)の小さなボビンではなく、PT20(20kg)のボビンにサイズアップすることによって、段取りの回数を少なくし、生産リードタイムの短縮を行うことが可能となります。また、取り扱うボビンの個数が大幅に減るので、在庫スペースを圧縮し、管理コストを低減させることも可能になります。
実績04
線材の真空梱包による変色防止
輸出梱包のポイント
線材を取り扱うにあたって、変色のトラブルは未然に防ぐことが重要です。銅は大気中において露あるいは大気汚染などによって変色を起こします。これは、銅の表面に酸化物の被膜が形成されることで起こる現象であり、酸化被膜の厚さによって銅表面の変色は異なります。日本から東南アジアの様に外気温の異なる地域に輸出する際には、銅は変色を起こしやすいので、ボビンの真空梱包や防湿材を輸送用の箱の中に詰めて結露が銅に触れないようにすることがポイントとなります。
線材を海外に輸出する場合、輸送中の大気の温度変化によって結露が発生することがあります。その結露が線材の表面に付着すると、線材が酸化し変色を起こしてしまいます。変色してしまった線材は見た目が悪くなるだけではなく、錆が発生し品質不良で使用することができなくなることがあります。特に、海外向け製品の場合には、再製作、再輸出となると大幅に時間を必要となりますので、結露による品質低下トラブルは避けなくてはなりません。
海外に輸出を行う線材は真空梱包を行った上で木箱に入れて輸送することで結露による銅線の変色を回避することができます。また、国内向けの輸送でも、温度変化による結露が気になる場合には防湿材を銅線に同梱することで、湿気を取ることができ、変色トラブルを抑えることができます。銅線などの線材は製造後、検査を行った上で梱包、出荷となりますが、輸送中に思わぬトラブルが発生することもあります。事前に対策を行うことで、このような変色トラブルを避けることが可能となります。
実績05
ボビンの最後まで使用することによる材料ロスの低減
ジャンパー線使用上のポイント
線材を使用する際にはできるだけ端まで使用できるようにできれば材料ロスを極力減らすことができるため、コスト削減のためのポイントとなります。通常はボビンに線材を結び付けて固定してから巻き始めますが、その場合結び目ができ材料ロスになるうえ、伸線機や巻き取り機にダマのまま巻き込まれると故障につながりかねません。ボビンに穴をあけ、そこに線材の末端を引っ掛けることで材料ロスを最小限にすることが可能となるうえ、全ての銅線がダマにならず伸線機や巻き取り機に巻き込まれます。
銅線などの線材をボビンに巻く際、末端を固定するために上記写真の様に結んで固定するのが一般的です。しかし、結んでいる銅線は使用できないので破棄してしまうので、ボビンに巻きつけた銅線を最後まで使用できず、銅線の材料ロスが発生してしまいます。また、ボビンから銅線を繰り出す際に、最後は結び目の塊のまま伸線機、巻き取り機に入っていくこともあり、銅線が絡まって伸線機、巻き取り機が故障してしまうことがあります。
銅線を巻きつけるボビンに穴を開け、その穴を起点にボビンに線材を巻くことによって、ボビンに巻きつけた銅線を最後まで使用することが可能となるので材料ロスの低減にもつながり、歩留りを改善させることができます。また、線材を最後まで使用してもきれいに銅線が解けるため、銅線が塊とならず、伸線機や巻き取り機の故障を招くことがありません。
実績06
ボビンの末端穴結束の工夫による線くぐりリスクの低減
ジャンパー線使用上のポイント
ボビンを使用するお客様からよく聞く声の1つとして、V字結束である場合、どこが末端であるか分かり辛いというものがあります。そのため、ボビン末端の穴結束を活用して結束を行うことによって、線材の末端がどこにあるのかが一目で分かります。また、ボビン末端の穴結束を行う場合、V字結束と比較して結束力も強くなるので、使用前に線材の緩みが見られたり、線材がほどけたりするトラブルを防ぐこともできます。
一般的にボビンに巻かれた線材の末端は上図の様なV字結束にて止めていることが一般的です。しかし、V字結束を行った場合、どこに末端があるか分からず、作業性が低下することがあります。また、V字結束では何かの力が加わると解けてしまうことがあります。ボビンに巻きつけた銅線が解けてしまうと、段取りやボビンのセットに無駄な作業が発生することとなります。
銅線をボビンつば部に固定する際には、ボビンつば部の穴に結束すると、どこが線材の末端であるかの把握が容易になり、作業効率を向上させることができます。また、ボビンつば部の穴結束ははV字結束よりも固定力が強いので、線材が解けたり、緩くなったりすることもありません。これにより、無駄がなく、スムーズな作業を行うことが可能となります。
販売の流れ
お客様からのお見積依頼をFAX とE-Mail の両方で受け付けております。
下記流れにそってお見積依頼をください。
お見積方法やジャンパー線に関する技術的な問合せにも技術相談窓口にて対応しております。
よくあるご質問
ご発注後、すぐにお客様へ納入できるよう、常に標準品のジャンパー線の在庫しております。また、特注品のジャンパー線は詳細仕様を確認後の製作手配となります。
ジャンパー線のお見積りには仕様(線径、形状、メッキの種類など)と数量、送り先の情報をご連絡頂ければお見積り対応が可能です。また、詳細仕様が未確定の場合は使用用途や使用環境をご連絡頂ければ、最適なジャンパー線を提案します。
製作したジャンパー線について、各種環境規制に関する証明書の作成やデータの提出に対応しています。また、鉛フリーに対応した、錫メッキ軟銅線を使用しており、環境負荷の少ない製法にてジャンパー線の製作を行っています。
ジャンパー線の総合メーカーである昭和製線は、全国どこでもジャンパー線をお届けさせて頂いています。お届け先の住所とご希望納期をご連絡頂ければ、納期に合わせて対応させて頂きます。
昭和製線ではジャンパー線の海外輸出、納入実績も多数あります。中国や東南アジア(タイ、ベトナム、フィリピンなど)、メキシコ、アメリカなど、日本国内だけではなく、世界各国に輸出しています。
向け先が国内外問わず、ジャンパー線はすべて日本国内工場にて製作しています。昭和製線のジャンパー線は、国際品質マネジメントシステムであるISO9001 に沿った品質管理体制のもと、生産を行っています。
昭和製線のジャンパー線の特徴
昭和製線株式会社は銅線材加工の専業メーカーとして、電線用導体の加工をはじめ、電子部品用鉛フリーはんだメッキ銅線(ジャンパー線、リード線)の製作を行っています。
昭和製線のジャンパー線が支持される理由は、オリジナリティある技術です。
特徴1
基板に合わせた特注サイズ・線径に加工
昭和製線では、ボビン巻きやテーピング加工を行ったジャンパー線をはじめ、曲げ加工を行った特注仕様のジャンパー線の製作も行っています。曲げ加工を行う特注仕様のジャンパー線は、お客様がご要望の各種基板に合わせて線径や曲げの形状を変更することが可能です。昭和製線では、使用される環境や用途に合わせて適切なジャンパー線の選定から技術アドバイス、製作まで対応しています。
特徴2
研究開発型のジャンパー線総合メーカー
研究開発型のジャンパー線総合メーカーとして、昭和製線では生産性の高いメッキ工法の導入や特注ジャンパー線の製作と開発を行っています。また、お客様へ、より高品質なジャンパー線をお届けするために、蛍光X線膜厚測定器やデジタルマイクロスコープなどの最新の検査設備を導入しています。
特徴3
RoHS 指令、REACH 規則に対応
人体や環境への影響を懸念し、各種環境規制が行われています。昭和製線ではRoHS 指令やREACH 規則をはじめとした環境規制に対応したジャンパー線の製作を行っており、RoHS 指令やREACH 規則などの環境規制に対する、証明書の作成を行っています。昭和製線では鉛フリーに対応しており、環境にやさしいジャンパー線の製作を行っています。
特徴4
ISO9001 に沿った品質管理体制
品質マネジメントシステムであるISO9001 に基づきジャンパー線の品質管理を行っています。性能試験として外径測定、引っ張り試験、屈曲性試験を行い、性能に問題がないことを確認します。メッキの厚みに関しては膜厚試験を行うことでメッキ厚の確認を行います。出荷前には員数検査、梱包検査を行い出荷を致します。
特徴5
海外輸出の実績多数
昭和製線のジャンパー線は国内向けだけではなく海外輸出の実績も多数あります。 海外輸出の際には輸送中の結露による錆の発生を防ぐために真空梱包にて厳重に梱包し出荷をしています。海外への輸出実績としては中国、タイ、ベトナム、フィリピン、アメリカ、メキシコなど多数あります。
ジャンパー線が使用される機器・設備
- 住宅設備
- IHクッキングヒーター
- エアコン
- 照明器具
- 水道メーター
- 情報・AV家電用
- テレビ
- ブルーレイレコーダー
- オーディオ機器
- 生活家電
- 炊飯器
- ロボット掃除機
- 洗濯機
- ストーブ
- 冷蔵庫
- etc
品質管理体制(ISO9001に沿った品質管理体制)
昭和製線株式会社では、ISO9001 に基づいた品質管理体制のもと、ジャンパー線の製作を行っています。ジャンパー線に使用する芯線はJIS C 3101(電気用硬銅線)に合格した線を原料とし、伸線加工、焼鈍を行った後、溶融メッキを施し出荷します。
線径の測定
長さ約 200mm の試験片を取り、外側マイクロメータを用いて、0.001mm 単位での計測を実施します。線軸に垂直な同一平面でほぼ等しい角度で 2 回以上の計測を行い、それらの平均値をもって仕上げ外径とします。
引っ張り試験
社内の引っ張り試験機を用いて、ジャンパー線の引っ張り試験を実施します。引っ張り試験は JIS C 3002-5 に準拠して実施致します。
繰り返し曲げ強さの測定
長さ約 150mm の試料を取り、0.4mm の曲率半径をもつ屈曲試験機にて測定を行います。試料を 90 度に曲げて元に戻し、反対方向に 90 度曲げて元に戻す作業を 1 往復で1サイクルとし、これを破断するまで繰り返し、ジャンパー線の曲げ強度の測定を行います。
メッキ厚測定
仕上がり外径の測定を実施した後、メッキ層を取り除き芯線の径を測定します。仕上がり外径と芯線径の差の 1/2 をもってメッキ厚とします。また必要に応じて、最新の X 線膜厚測定器を用いて膜厚の測定を行います。
外観検査
ジャンパー線の表面を目視、手触りにて外観に欠陥や不備がないか確認を行います。ボビン巻きのジャンパー線の場合には、ジャンパー線がしっかりとボビンに巻きつき、先端の部分の位置が分かりやすくなっていることを確認します。また、必要に応じてデジタルマイクロスコープ(20 倍~200 倍)を使用し外観検査を行います。
員数検査
ジャンパー線の出荷前には、指定の品目、個数を確認の上、梱包作業を行います。
梱包検査
段ボールケースにクラフト紙で横巻きつけの上、ケース詰めを行います。また、ラベルは見えやすい位置に貼り付け、出荷を行います。輸出の関係で結露による錆発生が懸念される場合には真空梱包を行い出荷する場合もあります。
環境調査対応
昭和製線ではRoHS 指令やREACH 規則をはじめとした各種環境調査対応を行っています。また、鉛フリーに対応した、メッキ材(錫)を使用しており、環境負荷の少ない製法でジャンパー線の製作を行っています。
鉛フリーはんだ
鉛は人体に有害な物質ですが、電子部品を基板に搭載する際には鉛と錫の合金であるはんだが使用されていました。人体への影響と廃棄物として処理される際の自然環境への影響が懸念され、鉛を含んでいない鉛フリーはんだが開発されました。鉛フリーと言っても、完全に鉛の含有率を0にすることは難しいため、RoHS 指令や JIS Z 3282( はんだ – 化学成分及び形状)ではそれぞれ以下の含有率を定めています。
- RoHS 指令:含有率 1000ppm( 0.1wt%) 以下
- JIS Z 3283:含有率0.10 質量% 以下
RoHS 指令
RoHS(Restriction of Hazardous Substances の略称)指令とは危険物質に関する制限であり、コンピューターや通信機器、家電製品などの電気・電子製品における、特定有害な化学物質の使用を禁止する指令のことです。RoHS 指令の対象となる特定有害化学物質は鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフィニル、ポリ臭化ジフェニルエーテルで、それぞれ含有率の規定値が設けられています。 しかし、RoHS 指令で制限されている上記特定有害化学物質の代替手段がない場合には、一定の範囲で適用が免除されます。RoHS 指令は電気・電子機器の収集、リサイクル、回収を推進するための指令である、WEEE(Waste Electrical and Electronic Equipment の諸悪省)指令と共に施行され、RoHS 指令はWEEE 指令による廃電気・電子機器の収集、リサイクル、回収を容易にし、最終的には埋め立てや焼却処分を行う際に人体や環境に影響を与えないようにすることを目的としています。
REACH 規則
REACH(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals の略称)規則とは欧州における化学物質の総合的な登録・評価・許可・制限を目的とした規制です。 REACH 規則で対象とされている化学物質は高懸念物質(SVHC)と呼ばれ、環境や人体に対し非常に高い懸念を抱かせる物質とされています。これらを規制することで有害性が非常に懸念されている化学物質からの安全性を確保することができます。
JAMP AIS
JAMP AIS とは、JAMP (Joint Article Management Promotion-consortium:アーティクルマネジメント推進協議会) が発行する化学物質情報伝達シート(Article Information Sheet)のことです。 JAMP AIS は、JAMP が推奨する製品含有化学物質の情報を伝達するための情報伝達シートです。2007 年にEU でREACH 規則が施行され、製品中の認可対象候補物質(SVHC) の含有情報をサプライチェーンを通して伝達することが要求されるようになったため、JAMP がMSDSplusの情報をもとに成型品に含有される化学物質の情報をAIS に変換して伝達をします。
紛争鉱物
紛争鉱物(Conflict Metal)は、アフリカなどの紛争地帯において発掘された鉱物資源のことです。紛争鉱物は産出国にとっては貴重な外貨獲得資源であるが、武装勢力の資金源となり内戦などを長期化させ、人権侵害を惹起する側面があると指摘されています。
そのため、Electronics Industry Citizenship Coalition(EICC)およびGlobal e- Sustainability Initiative( GeSI)が紛争鉱物調査フォームを発行し、4金属(金、錫、タングステン、タンタル)の使用有無とその精錬所を明確にします。これは、米国金融規制改革法第 1502 条ドッド= フランク・ウォール街改革および消費者保護に関する法律)において、米国に上場している企業に対し紛争鉱物の使用について米国証券取引委員会(SEC)への報告が義務付けられたことによります。
昭和製線では、ジャンパー線に関する最新の各種環境調査証明書やデータの提出対応を行っています。